第7章

遠山の一件があってから、私は長いこと物思いに耽っていた。

律太はそんな私の変化を察してはいたようだが、あえて何も聞かず、ただ以前にも増して優しく寄り添ってくれた。

「ねえ、律太」

ある日の夜、私は彼に切り出した。

「私、フィールドワークでの安全管理について勉強したいの」

「どうして急にそんなことを?」

彼は不思議そうな顔をする。

「律太と一緒に、野外調査に行きたいからよ」

私は真剣な眼差しで告げた。

「知識があれば、あなたの足手まといにならずに、少しは力になれるでしょ?」

彼は一瞬きょとんとし、それから私を強く抱きしめた。

「紫苑……知ってるか? 君は、俺が出会った中で...

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